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辞表保留と夢と恩


(Wikipedia 英語版より写真を引用)

 僕の夢はヒマラヤにあります。

 仕事を辞め、この秋に6000m峰に登るつもりです。

これまでの単独行の総集編として、単独で6000m峰に登るつもりです。



 そして今日、先日出した辞表が保留になり退職にストップがかかりました。


 今の僕の現状をみれば、この秋に6000m峰に登ることは不可能でしょう。

今の僕は6月の事故で痛めた背中のケガがまだ癒えてなく

ヒマラヤどころか北アルプスも満足に登れない状態です。

北アルプスどころか近所の低山を登った翌日には吐き気と痛みに襲われます。

 冷静に考えれば傷が癒えるまで職場に残るほうがいいでしょう。

そして傷が癒えてから再スタートを切ったほうが登頂の可能性も上がると思います。



 会社が僕を引き止める本当の理由はわかっています。

 それは会社が僕個人の能力を必要としているからではなく

僕の後ろ、正確には僕らのチームの後ろにある数億のお金が欲しいからです。

 だけど、そんな裏事情が分かっていても

黒歴史を歩んでいた僕を引っ張り上げてくれた会社に恩を感じているし

自由に仕事をさせてくれた直属の上司にも感謝しています。

大阪本社のK氏、東京本社のO氏にも感謝の気持ちで一杯です。


 僕を引き止めてくれるその人たちの顔を思い浮かべると

裏事情が分かっていても夢が揺らぎます。




 何が正解かは分かっているんです。


 傷が癒えるまで今の職場に残り

会社がお金を掴むまで協力し

僕の身体も会社の願いもすべてがクリアーになってから

ヒマラヤに向かうことが正解だということが。







 僕は生まれつき身体があまり丈夫ではありません。

 そして年々身体がボロボロになっていっていることを自覚しています。

 おそらくあまり長生きはできないでしょう。

 そんな僕にヒマラヤを目指せるチャンスがあと何年あるだろうかと考えると

贔屓目に見てもあと10年はないと思えます。

 自分の身体と正直に話をすれば

おそらくこの5年が勝負だろうという答えが返ってきます。



 そして、今年目標にしている6000m峰はあくまで夢の始まりで

いくつかのステップを踏んだあと

最終的にもっと高くもっと険しい山に登りたいと思っています。

 残された時間があと5年と考えれば

その最後の夢の山へ向かうためには1シーズンも無駄にはできない。



 夢と身体と仕事と恩、それらの狭間でゆれています。  


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