いきなり本題に入りますが、シャンプーの香りがとっても好きなんです。
このようにシャンプーの香りが好きになったのは、僕がちょっとだけおじさんになってしまったから、という理由からではありません。断じて違います。ちがうったら違うの!!シャンプーの香りに惹かれるようになったのはもっと若い頃からだって!!
しかしシャンプーの香りならいつ何どきどんな香りでもよい、というわけではないのです。
風呂上がりの男なんてもってのほかです!当然です。
じゃあどのようなシチュエーションがケンチ心をくすぐるかというと。
まず第一に美人!!カワイイ娘でもオッケーです♪
70を越えたおばーちゃんではケンチ心をくすぐる事なんてたぶん、いや絶対に無理ですから、親の敵のように頭洗ったりしないでくださいね。頑張って他の人を見つけてください。
そして第2に、すれ違いざまの残り香!!
実はこれがとても重要なのです。どんなにいい香りのシャンプーでも、鼻面に頭を押しつけられたんじゃたまったもんじゃありません。
すれ違いざまにほのかに香るシャンプーの香り、これがいいのです。
街中で、すれ違った美人のシャンプーの残り香。
これです。これがいいのです。スケベです。分かってます。
これにあとひとつだけ付け足していいのなら。
シャンプーの銘柄は「ティモテ」を希望します。
なぜティモテなのか。
高校3年から23歳の冬までずっと憧れ続けていた芳美という女性がいました。
その芳美という女性が使っていたシャンプーが「ティモテ」でした。
憧れながらも彼女と僕は「親友」という関係でした。
憧れ続けていた期間、彼女に憧れながらも何人かの別の女性とお付き合いをしました。しかし、僕が新しい恋人をつくるたびに彼女が現れては僕を惑わし、そして恋人と別れるとまたどこかへ消えていってしまうのです。
追いかければ遠ざかり。離れていけば近づいてくる。そんな関係でした。
しかし、彼女は決して僕のことをもてあそんでいたわけではありませんでした。お互いがお互いを求めるタイミングがすれ違いだっただけなのです。
永久に結ばれることはないのかなと、いつも諦め半分で彼女のことを想っていました。
でも、恋愛の神様は2人にチャンスを与えてくれました。
彼女と恋愛関係になれたのです。
2人ともやっと付き合えたねと、心から喜びました。
休みの日ごとにデートをして。
会えない日は電話をして。
付き合えなかった日のことを笑いながら話もしました。
ある日僕たちはよく当たると評判の占い師のところに行きました。
きっといい占いが出るだろうことを信じて・・・
占い師が出した答えは、
「2人の相性は最高です。こんなに相性のいい2人は滅多にいないですよ」
僕たちは見つめ合い最高の笑顔をお互いに送りました。
「しかし、この先どちらかがとても遠いところに行ってしまいます。そして2人は離ればなれになるでしょう。」
しかしそんなことを言われても、物理的に離ればなれになる事なんて考えることなど出来ませんでした。
占い師が行った後者のセリフは聞き流し、相性が最高だと言われたことを手放しで喜びました。
その後も、仲のよい日々が続きました。
いつか結婚しよう。そんな約束もしました。
しかし彼女はアメリカに旅立ちました。
彼女に巡ってきたチャンスを僕が奪うことなどできませんでした。
引き止める言葉など見つかりませんでした。
結局彼女と僕はすれ違うことしかできなかったのです。
それ以来、僕はすれ違う女性のシャンプーの残り香が香るたびに少しだけ切なくなります。