alone in the mountain
山の雑文
なぜ山に登るのか

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 なぜ山に登るのか


 エベレストに挑みエベレストで死んだジョージ・マロリーは「なぜ山に登るのか」の問いに「そこに山があるから(Because,it is there)」というカッチョイイセリフで答えました。

 だけど、マロリーのあの有名なセリフは取材陣の質問攻めに答えるのが面倒くさくなって、その場しのぎにテキトーに答えたセリフだそうです。

 だけどそんなふうにテキトーに答えたセリフが後世まで語り継がれ、登山をやらない人までもが知っているという名ゼリフになってしまったのだから羨ましいかぎりです。

 僕もそんなふうにテキトーなことを言って有名になり、お金持ちになって左団扇で暮らしたいもんです(違)

 今度なんか奢れよマロリー!



 さてさて、話はもどって、どうして僕は山に登るのか?

 「健康のため?」なんて感じで、山に登らない知人なんかによく聞かれますが、これはありえません。

 僕は、自分の技術力では少し背伸びしないと手が届かないような山行が好きなんです。どちらかというと一回のミスで死んじゃうような登山がタマラなく好きなんです。これじゃ、健康のためなワケがないですよね。いくら健康になっても一回のミスで死んじゃぁ意味がありません。

 ってことは、スリルを求める為に山に登っているのか?と聞かれるかもしれませんがそれもちょっと違います。

 スリルだけを求めるなら命を危険にさらさなくても味わえるスリルが、今の世の中にはたくさん存在します。



 なぜ山に登るのか?

 その問いに明確に答えられる登山者というのは、実はとても少ないような気がします。

 なんとなく楽しいから。
 なんとなく気持ちいいから。
 なんとなく・・・。

 そんなふうに「なんとなく」ついつい山に向かっている人が多いでしょう。


 しかし、僕自身は「なぜ山に登るのか?」、という問いに対して明確な答えを持っています。

 これまで山に興味のなかった人でも、僕の山に登る理由を聞けば、「おおお!そんな素晴らしい理由があって山に登っているのか!ならばぜひ一度私も山に連れて行ってください!」と僕にお願いをしてくるでしょう。

 きっと10人いれば10人がそうお願いしてくるに違いありません。

 僕が山に登りたい理由は、それほどまでに人々の心を山に向かわせる魔力をもっていると思っています。



 だけど、もし僕がマロリーのように取材陣に囲まれ、あの質問をされたらこう答えるでしょう。



 取材陣 「あなたはなぜ山に登るのですか?」







 「こんなオモロイこと、
    人に教えてたまるか!」



                           おしまい



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