コンパス使ってますか?
ザックの中には入れてるんだけど、なんか使い方がよく分からないし別に使わなくてもこれまで不安を感じたことなんかないし。。。 そんな感じの人って多いのではないでしょうか。
確かに、夏の北アルプスのメジャールートなんかだと道標がしっかり整備されているのでコンパスどころか地図すら見なくても歩けてしまいます。地図を見るのはコースタイムの確認だけという人もいるほどです。
また、コンパスの使い方を学ぼうと思っても、磁北、偏差、相対角度、クロスベアリング・・・なんて難しい言葉が次々と出てきて、使い方を学ぶ気も起きませんよね。
そんなこんなで、今回は難しい言葉抜きでコンパスに慣れ親しんでもらおうと思います。
|
今回の講座で必要なのはプレート付の写真のようなコンパスです。
まだコンパスを持ってない人はシルバのNo3を買っておけば間違いないのでビシッと買ってしまいましょう。
僕はより高い精度で計測できるシルバ
No26というモデルを使っているのですが、通常はそこまではいらないと思います。
シルバNo3がベストの選択だと思います。 |
最初にコンパスの使用法で覚えたいのはコレです。
「あの山は地図上のどれかな?」
この方法を覚えれば、登頂後の山頂から「あの山が弓折岳だね!」とか「あの遠くに見えてるのが剱岳なんだね」というふうに山座同定を楽しむことが出来ます。
そうやってコンパスに慣れ親しんでいけば、いずれ覚えることになる現在地の特定法「クロスベアリング」なんてのも使えるようになってきます。
前置きはこのくらいにしてさっそくコンパスを使って山座同定をやってみましょう。
いきなり地図とコンパスを同時に使おうとすると、最初のうちは混乱しやすくなってしまうので、とりあえず地図は横にどけておきましょう。
|
まずコンパスを胸の高さに持ち脇を締めて調べたい山の頂上の方にビシッと向けましょう。
より精度の高い測定をしたい時は目線の高さにコンパスを持ってくる方法もあるのですが、それはもう少し慣れてからにしましょう。 |
|
次にコンパス本体を調べたい山に向けたまま、リングをグリグリと回して針の赤とリングの「N」を合わせましょう。
針の赤とNを合わせたら、もうコンパスを目標に向ける必要はありません。この作業以降はコンパスの針はどこを向いていてもOKです。針の存在は無視して大丈夫です。プレートとリング内の線だけで目標の山を特定することが出来ます。 |
|
コンパスの針は真北を指してはいないということを聞いたことがありますか?本当の北はコンパスの指す北のより6〜8度ほど右方向(時計回り)の位置にあります。その修正をしましょう。
コンパスのリングに刻まれた目盛りは一般的なコンパスの場合1目盛が2度なので目盛を3〜4個分時計回りにずらしてください。ずらす目盛りは3個でも4個でもどちらでもかまいません。
ここでは精度を求めるというよりも、磁北のズレというものに「慣れる」ための作業だと思ってください。 |
最後にようやく地図の登場です。
地図の上にコンパスを置きリングの中に引いてある細い線と地図上に引かれている南北の線を合わせます。南北が合ったらそのままコンパスを平行移動させ地図上の現在地に長辺を合わせましょう。
するとそのコンパスの長辺のラインか、その延長線上に知りたかった山の名前が書いてあるはずです。
|
コンパスを使った山座同定法をまとめると。
1 知りたい山にコンパスを向ける。
2 そのままの姿勢でコンパスの針とNマークをあわせる。
3 リングを時計回りに3〜4目盛まわす。
4 地図の上にコンパスを乗せリング内の線と地図の南北の線をあわせる。
5 そのままコンパスを平行移動し長辺を現在位置にあわせる。
6 地図上のコンパスの長辺のライン、またはその延長線上にある山が見えている山です。
この方法をまったく逆に行うと地図上の山頂が実際にどの方向に見えているか調べることも出来ます。その時注意をしなければならないのは、磁北の調整の時に時計回りにリングを回したのが今度は反時計回りに回さなければならないということです。
しかし一気にそこまで覚えるのは大変なので、まずは見えている山がなんという名前なのか地図とコンパスを使って調べてみることから始めましょう。
その時、いきなり知らない山を調べようとせず、自分がよく見知っている山からチャレンジすれば、すぐに答え合わせが出来るのでより早く上達できると思います。
それでは次の山行ではぜひ山頂で地図とコンパスを広げ山座同定を楽しんでみてください。
そして、その山頂から次に登りたい山を見つけてみてください。
|