厳冬期(蝶ヶ岳)
2003/12/29〜2004/01/02
メンバー
ぐり〜ん♪
天候 吹雪とか雪とか晴とか
山域 北アルプス(長野県)
行程
12/29
中の湯→釜トンネル→大正池→河童橋
12/30
河童橋→明神→徳沢
12/31
徳沢(停滞)
01/01
徳沢→長塀山→蝶ヶ岳→長塀山→徳沢
01/02
徳沢→明神→河童橋→大正池→中の湯
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12/29
釜トンネル
冷凍大正池
旅の相棒
河童橋
外は漆黒の闇だった。
テントの入り口を開けた瞬間、吹き込んできた雪でテントの中が真っ白になってしまった。
外は吹雪。大量に吹き込んだ雪を見て、僕はテントの外に出る気を失った。
再びシュラフにもぐりこみ吹雪の音を聞きながら僕は一人の女性のことを考えた。
いつからだろう、あの人のことが気になりだしたのは?
そうだ、秋だ。
秋からあの人が僕の心に現れるようになったのだ。
これは恋心なのか?
そうかもしれない。
いや、きっとそうだ。
だけど、昔の彼女のことがいまだ心の片隅に残る僕に人を恋する資格はない。
しかし、恋というものは資格などなくても心を支配していくものだ。
暖かい不思議な感覚に包まれながら僕は眠りに落ちていった。
12/30
純白
雪煙をあげる明神岳
さてさて、そんなこんなで昨夜の上高地は吹雪いていました。
朝、テントから這い出すと一歩目からラッセルの世界。トイレに行くだけでもラッセルの大仕事になりそうだったので、フリートレック(スキー)を履いて適当なところまで移動し用を足しました。せっかく上高地までフリートレックを持ち込んだのに最初に使ったのが用足しだなんて、僕のフリートレック号は不幸な星の元に生まれちゃいましたね(;´д`)
影
前穂
上高地→明神間は普通に歩き、明神→徳沢間はフリートレックで移動しました。
「フリートレックで移動しました。」 なんて書いちゃうと、まるでノルディック複合の荻原兄弟のように颯爽と雪の上を滑りぬけていく姿を想像されるかもしれませんが、現実は、普通に靴を履いて歩いている人たちが僕の横をビュンビュンと追い抜いていっていました。
だって、ルート上はハッキリクッキリトレースがついていて、ラッセルの必要なんかまったくないんだもん。歩くほうが早いっちゅうねん。
もうなんだか「持ってきたから」という義務感だけでフリートレックを履いて移動していました。
水作り中
夕暮れ前の前穂
しかし、徳沢にテントを張ってからはフリートレックが大活躍!
ツボ足では絶対に歩けないようなところでもグングン歩いてゆけてめっちゃ快適でした。もう何かに取り憑かれたようにフリートレックでウロチョロしまくりました。
滑れもしないくせに45度くらいの斜面に突入して前のめりにスッ転んだり、足跡のまったくない大雪原にオレ様のトレースを引いて景観を台無しにしたり、パウダースノーにまみれていい歳のおっさんがメルヘンチックな気分になっちゃったりと最高の時を過ごしました。
つき
晩ゴハンを作ろう!
12/31
予定では31日に蝶ヶ岳に登ってテントを張り、初日の出を見てから下山しようと思ったのですが、31日はあいにくの悪天候。
まぁ、悪天候と言っても雪がパラついてるだけなんだけど、山の上の方では荒れてるかもしれないということで安全策をとって停滞することにしました。
もうひとつ停滞しようと思った理由は、登山の世界の季節分けでは12月中に登っちゃうと「冬季登山」だけど1月に登ると「"厳"冬期登山」になるんですよね。
「オレは厳冬期の北アルプスを制してきたぜ!」
って書くとなんだかカッチョイイでしょ!
まるで本格的登山家みたいでしょ!
あの娘もボクにメロメロになっちゃうでしょ!(;´д`)
そんなワケで31日は停滞することに決定しました。
後日わかったことだけど、この日の蝶ヶ岳は吹雪のため遭難者が出ていたようで、僕は見栄っ張りな自分の性格に命を救われたワケです(w
人間、何が自分を助けてくれるかわからないですねプププ。
テントから偵察
おしるこで年越し
1/1
アルペングリューエン
初日の出
天気も回復し厳冬期登山へ出発。
途中、朝日に映える前穂に感動したりしながら長塀尾根の急登を登りました。
長塀山の手前で便意を催したので、キジ撃ちをするためトレースをはずれました。トレースを3,4mほどはずれたころ突然ズボッと胸まで雪に埋まってしまいました。ビックリしてウンチョがはみ出してしまうところでしたが、そこはキジ撃ちの貴公子と呼ばれた僕、そう簡単にやられはしません。泳ぐように雪の中を進み適当なところで足場を固めて雪の中でウン(以下省略)
ゆき〜
ソフトクリーム
あー、なんだか長期登山の山行記を書くのって面倒くさいなぁ(;´д`)
筆の進みが悪い時に長文を書くのってしんどいよぅ(;´д`)
これを書いている今って深夜3時だし、明日も仕事だし。。。
正月の長塀尾根なんてトレースをなぞるだけの雪山ハイキングみたいなもんだし、あんまり書くことがないんだよね。
ってなわけで、一気に登頂してしまおう!
陽
ピッケルと蝶ヶ岳山頂
そんなこんなで長い長塀尾根を踏破し蝶ヶ岳の頂を踏むことが出来ました。
山頂はものすごい風が吹いていました。
登頂を祝って温かいコーヒーで一人乾杯しようと思いテルモスを口に運んだ瞬間に烈風が霧吹効果を起こし、顔面にプシューっとコーヒーがかかってしまいました(;´д`)ザックの中の水が凍るくらいの気温だからコーヒーで濡れた顔が凍傷にかかりそうになりました!
さすが厳冬期登山。さすが厳冬期の北アルプス。
コーヒー飲むのも命がけ。これぞ男の厳冬期登山だぜ!
雪山サイコー!オレサイコー!コーヒーウマー!
穂高を背に
烈風の蝶ヶ岳
テントに帰り、お雑煮で登頂を祝いました(愛)
まぁ、お雑煮って言ってもドライフーズなんだけどね(;´д`)
正月って僕の誕生日なんだけどさぁ、その誕生日にカロリーメイトやエネルギータブレットを齧って山に登って、山から降りてもドライフーズのお雑煮って・・・。
山なんか登らずに暖かい部屋で愛しのあの人の手料理でも食いてーよ!
なんて言いながらも来年の誕生日もカロリーメイトを齧ってるんだろうなぁ。
ああ、僕って薄幸。
1/2
二つの足跡
梓川と穂高
帰りもスキーを背負って山を降りてきたよ!
フリートレック役立たず!
明神あたりで少しスキーを履いてみたけど、やっぱり歩くほうが楽でした。
もっと人の少ない季節ならフリートレックも大活躍だったんだろうけどなぁ。
定番
サヨナラ上高地
そんなこんなで、正月山行を無事に終了することが出来ました。
31日の停滞のおかげでゆっくりといろんなことを考える時間も持てたし、厳冬期の北アルプスのはしっこの方に登ることも出来たし、おおむね満足の行く山行となりました。
ただ、正月ということで他人様が作ったトレースがハッキリ残っていて、それをなぞるだけの登山になってしまったのがちょっと胸にひっかかってます。
山は困難なほど面白いですからね。
山も人生も恋も、自分で自分のトレースを引かないと意味がないですよね。
さぁ〜て、今年はどんな一年になるのかな♪
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