alone in the mountain
阿弥陀岳南稜(八ヶ岳)

     2005/12/29〜2006/01/01
     メンバー 
ぐり〜ん単独
     天候 曇りのち晴れ
     山域 八ヶ岳(長野県)

行程

12/29
八ヶ岳美術館前→舟山十字路

12/30
舟山十字路→南稜取り付き→立場岳→青ナギ

12/31
青ナギ→無名峰→P1〜P4→阿弥陀岳→中岳沢→行者小屋テント場

1/1
行者小屋テント場→南沢→美濃戸口


 山は一人で登るのがいい。

 自分のペースで登り、自分のリズムで攀じる。
誰かの後ろを歩くのは楽しみを半分にし、誰かの前を歩くのは責任を倍にする。僕はそのどちらもが煩わしい。僕は一人がいい。

 友情だの愛だのを山に持ち込むのは、僕にとって不必要な荷物を背負って山に登る以上に重い。無駄なものは背負わない方が山との一体感を感じることが出来る。

 山は一人で登るのがいい。



 あー、ゴメンゴメン。
のっけからグチっぽいですね(;´д`)
いやね、彼女が昔の彼といまだに繋がりがあることがついさっき発覚して、アレがアレでなんだかアレなんですよ。

 「アレ」ばっかでアレですがその辺は察してください(涙)

 よーし、ほんじゃ山行記いくぞー!
今回もぶっとばしていくぞー!
時速百万億万兆kmだぁ!
(こわれぎみ)

 舟山十字路でテント泊して、一時間歩いて広河原方面から南稜にあがり立場岳を知らないうちに越えて気がつきゃ青ナギだ!

 あれだけ辛かった急登も今日の俺様にかかれば2行で通過だ!
2日間の行程も2行でクリア!
行くぜコノヤロ!




 青ナギの直前の稜線から一段下がった風の当たらない場所を整地して、上の写真のようにテントを張ったぜ!あー俺様のテント、カッチョイイな。

 ケータイの電源を入れてみるとアンテナ3本だったのでさっそく彼女に電話。

ぐり「今すぐにでも会いたいよ」
彼女「わたしも」
ぐり「もう山なんていいから今すぐ会いたい」
彼女「わたしも今すぐに会いたいよ・・・。」


 なんだか、寂しくなっちゃって弱気な僕。

 思えばこのころは仲良しだったな・・・(泣笑)


 で、寝る前の青ナギ周辺は↑こんなかんじで、阿弥陀岳方面は完全にガスの中。翌日の天気が心配だなぁと思ってたら翌日は・・・。


 こんなにピーカンに!

 あ゛ー!俺の心もこれくらい晴れてみてーもんだなチキショー。


 南稜の上部は激しく雪煙が上がってたんだけど、時間がたつほど風は弱くなると予想できたので出発。

 無名峰からは先に続く岩稜帯が一望できたですよ。
正直、自分の実力で超えられるのか不安でした。
積雪期のバリエーションなんて初めてだし、ソロだし、彼女は元彼と切れてないし(それは関係ない)


 P1とP2は風が強いことをのぞけば特に問題なし。

 P3は上の写真の岩峰なんだけどデカスギてビビる。


 P3をいったん左に巻き核心のガリーからP3を登ります。
取り付きはこんな感じなんだけど、なんかこの写真わかりにくいね。

 俺の将来なみに分かりにくいね(;´д`)


 で、核心のガリーなんだけど、斜度がだいたい50〜70度の間くらいでところどころ岩が出ていてミックス状態。

 普通はザイルを出して2〜3ピッチの登攀になるんだけど、男ぐり〜んはザイルなんて使わない。ここはビシッとフリーソロ。テント泊装備20kgを背負ってミックスクライミング。マジ男前。勇者。命知らずの究極クライマー。彼女が元彼と切れてない可愛そうなクライマー(涙)


 閑話休題。。。


 僕はザイルなしで登るときはいつも自分にこう言い聞かせます。
「俺には万有引力の法則は働かない。絶対落ちない。」

 そう言い聞かせて、登り始めたんだけど10mも登るとザックは重いわ、脂肪が重いわでふくらはぎが痙攣寸前(涙)それでもザイルを使わずに登る僕には「諦める=落下10m+取付からさらに下へ100m落下」になるので半泣きになりながらでも登るしかないのです。

 右手のピッケルを堅めの雪面を探し打ち込む。
 次に左手のサブバイルを雪面に打ち込み。
 右足を持ち上げアイゼンの爪を壁に突き刺し。
 左足を上げてアイゼンの前歯2本を雪壁に蹴り込む。

 この一連の動作で30cmくらいしか身体が上がりません。
それを尺取虫のように延々と繰り返し核心を越えていきます。

 岩が出てきたら岩の角にアイゼンを優しく乗せ、その岩がはがれないことを祈りながら身体を持ち上げていきます。

 まぁ、なんだか難しそうに書いてますが、ベテランの登山家ならでんぐり返りしながら登れるようなところですよ(それは無理)

 どれだけの時間それを繰り返したのか分からなかったけど、なんとか核心のガリーを登りきることが出来ました。核心部で写真を撮る余裕がなかったのが残念。


 P3の核心ガリーを登り切ると、こんな景色を御褒美にもらえます。
 やっぱ富士山はカッチョイイなぁ。


 次のP4は上のようなバンド状を歩いて、バンドが終わったらルンゼを直上していきます。何箇所か岩が突き出ていて身体をのけぞらして通過するところもあるんですが難しくはないです。


 頂上直下の雪壁を登ればヒョッコリと山頂へ。

 登ってきた南稜を振り返るとこんな感じでした。
うーん、シビれる。


 登頂おめでとう、オレ!
 ありがとう、オレ!
 っていうか、私生活大変だな、オレ。
 そうですね、これから荒れそうですね、オレ。
 ガンバレよ、オレ。
 鬱病だからガンバレっていうな、オレ。
 それよりお兄さんが撮ってくれた写真、左上に指が写ってるね、オレ。
 ああ、写ってるね、オレ。

 下山は文三郎尾根までいくのがメンドクセーので雪崩の巣・中岳沢から強行下山しました(登山者失格)

 ほいで、行者小屋の前のテント場で年を越しました。


 今回のバリエーションソロの相棒を紹介します。

 ともにSimondなんですが、マーベリックの60センチとスーパーフォックスの40センチです。

 マーベリックのほうはピッケルバンドをかなり短めに付けていてサブバイルとのダブルアックス登攀時にバランスをとりやすくしました。


 翌日、下山途中に見た赤岳から登る初日の出です。


 っていうか、恋愛の危機状態なのに、よくまぁこんなバカっぽい山行記を書けるもんなだなぁと自分を褒めたい気分です。

 そんなこんなで2006年。

 この山行記を読んでくれた人、あけましておめでとう。
この山行記を読むのがたとえ夏であっても、あけましておめでとう。
今年といわず来年とか再来年とかもついでにヨロシクお願いします。
 


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