alone in the mountain
弱層(八ヶ岳)

     2006/02/03〜05
     メンバー 
ぐり〜ん&彼女
     天候 晴時々くもり
     山域 八ヶ岳(長野県)

行程

2/3
美濃戸→赤岳鉱泉

2/4
赤岳鉱泉→中岳沢→中山展望台→赤岳鉱泉

2/5
赤岳鉱泉→美濃戸



 前日のハードスケジュールと徹夜明けのためか、彼女は美濃戸口〜赤岳鉱泉のアプローチですでにバテバテ状態になりました。その彼女の姿を見て僕の中では翌日の阿弥陀岳北稜登攀は中止にしようと決めました。

 一晩寝て彼女も元気を取り戻していたのですが、前日のバテバテの姿を見ている以上、僕としては冬季登攀に彼女を突っ込ませる気持ちは起きませんでした。

 予定の阿弥陀岳北稜は中止にし、一日赤岳鉱泉でノンビリ過ごし翌日下山することにしました。


 あ、この写真はバテてる時の写真じゃないです。休憩中に寝てる彼女の図です。この人どこでも寝るんですよ。登山道でも寝るし、岩トレしてる時なんて岩壁を背に寝始めるし。。。(;´д`)

 朝は今年一番の冷え込みとなったのですが天気はとてもよく、日差しがテントに当たるようになるとテントの中はぽかぽか陽気になってきました。

 その暖かなテントの中で僕は昼寝を決め込んでいたのですが、昼前くらいから彼女の落ち着きがなくなってきました。

 やはり、どうしても登りたいらしい。。。

 いろいろ話し合った結果、今日一日身体を休め翌日の最終日に阿弥陀岳北稜を登ることにしました。

 しかし最終日に登るとなると、かなりスピーディーに行動しないと大阪に帰る高速バスに間に合わなくなるので、今日中に中岳沢からジャンクションピークあたりまでラッセルをしておきトレースを付けておきたいと考えました。


 中岳沢に入るとトレースがしっかりと付いていました。
ラッセルも楽しみの一つだっただけにこれは少し残念に思いました。

 ここ中岳沢は過去に大きな雪崩が発生し一瞬にして十数名の命が絶たれた場所でもあります。彼女の知り合いがその関係者で話しをよく聞いていたので、ここは慎重に行動することにしました。

 ピッケルを使いストックテストという登山関係者の間ではあまりメジャーではない簡易弱層テストをしながら谷を詰めました。このテスト方法は歩きながらでも実行できるので雪崩を誘発する弱層をすばやく見つけることが出来ます。

 谷の傾斜がきつくなる直前あたりで、歩きながら弱層テストを続けるピッケルに違和感を感じました。すぐに、もっと正確に弱層の有無を判断できるハンドテストを実行しました。

 直径30センチほどの雪の円柱を掘り出しまずは手首の力で引こうとしました。すると手首の力を入れるまでもなく円柱がスーッとズレていくではないですか!

 まぎれもなく弱層です。
このまま突っ込めば雪崩が発生する可能性が非常に高く、否が応でも緊張します。
 
 まぁ、それはそれとして、せっかくなので弱層にぐり〜ん君の顔を描いてみました。頭にピッケルが刺さってるのがイケてますね。



 テストの結果、いつ雪崩れてもおかしくない弱層が表面から20センチと70センチ付近に二層ありました。

・ 弱層が二層ある。
・ 2日前に降雪あり。
・ 当日、急激に冷え込んでいる。
・ 翌日は今日より気温が5度上昇する。
・ 中岳沢の傾斜が雪崩を誘発しやすい角度である。

 条件的にはいつ雪崩がおきてもおかしくない状態でした。なにかがトリガーになればほぼ間違いなく雪崩が発生するでしょう。

 翌日北稜へアタックし、その日のうちに大阪まで帰ろうと思うと登頂後に中岳沢での下降が必須になってくるので、ここで今回の登攀を中止することに決定しました。

 登攀中止の決定で時間が余ったので、最近技術習得に意欲的な彼女のために、弱層テスト、ビーコン講習、ゾンデ講習、読図&コンパス講習、GPS使用方法などの簡易講習会を実施しました。


 中岳沢の帰りに中山展望台によりました。

 ここから阿弥陀岳方向を見ていると中岳コルに一組のパーティーが見えました。まさか中岳沢は降らないだろうと思っていたら、躊躇もなしに中岳沢を降り始めました。

 中岳コルに到着してすぐに中岳沢を降り始めたので、弱層テストをしてるような感じはありませんでした。おそらく「みんなもここを降りてるんだし、俺たちもここから降りても大丈夫だろう。」などと考えているのでしょう。

 危険を承知で危険に突っ込むのは危険回避の可能性を増やすこともあると思いますが、危険を危険と知らずに突っ込むのは自殺行為以外の何者でもないと思います。

 僕のような3流以下のクライマーがいうのもなんですが、あまりにも山を舐めすぎた登山者が多いような気がします。

 と、つい一ヶ月前に比良山で遭難しかけた俺様が偉そうに言ってみて苦情が何件くるかのテスト。






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