alone in the mountain
憂いのジプシー(霧ヶ峰)

   2009/6/19〜21
   メンバー ぐり〜ん
   天候 晴れとか雨とか
   山域 北アとかその南東とか(長野県)

行程

6/19
上高地→横尾→(;´д`)→徳沢(テント泊)

6/20
徳沢→上高地→梓川SA(車中泊)

6/21
梓川SA→霧ヶ峰(車山)




 かれこれ体調を崩してから一ヶ月になります。




 肺だか気管支だかよくわからないけど、左の肺の辺りがヒリヒリと痛みます。

 そして時々、左肺の背中側に突き刺すような痛みが走り息ができなくなります。

 何度か病院には行っているのですが、現時点では原因はまだ分かっていません。

 とりあえずドクターは「ガンではないと思うよ」と言ってくれています。






 僕は小さな頃から身体が弱く、子供時代に長期入院をしたこともありました。

 大人になってもやっぱり身体は弱く、年に何度も体調を崩します。






 体調は激悪だったけど、どうしても山に行きたかったので横尾本谷から南岳へ抜けるルートに行くことにしました。





 だけど、そんな人間がバリエーションルートを登るなんて最初から無理に決まっていました。

 バリエーションルートどころかまだアプローチと言える横尾を過ぎたあたりで、もうそれ以上登ることができなくなりました。






 あまりの無様な敗退に山にいるのが嫌になり、その日のうちに山を降りたかったけど、上高地まで歩くのも辛かったので徳沢でテントを張って寝ることにしました。




 翌日はよく晴れてとても気持ちのいい朝でしたが、気持ちはまったく晴れませんでした。


 



 それでも家に帰るのは嫌だったので、梓湖のほとりでボーっとして過ごしました。






 その夜はどこにも行くあてがなかったので、いつもの梓川SAで車中泊をしました。





 でもね、やっぱりどこでもいいから山のテッペンへ行きたくなりました。

 そして、道路地図を広げて今の僕でも登れる山を探しました。





 そして、見つけたのは霧ヶ峰。

 カメラと水だけを持って山に入りました。





 ずっとガスが出ていたけど、時々成層圏まで突き抜けるような青空が雲の切れ間から覗いてきて、僕を少し元気にしてくれました。




 ゆっくり歩いても30分で登れるところを、もっとゆっくり歩いて60分かけて登りました。


 登頂の喜びは途中の苦労に比例するから、この山に登った感動は小さかったけど、その小さな感動も今の僕にとっては大事な栄養素でした。





 体調を崩す直前まで、それなりのトレーニングを積み、最大酸素摂取量が「very good」 に分類されるまで心肺機能が上がってきていました。

 3ヶ月前には一人で雪山に入り単独ラッセルで山頂までの道を切り開いたりしていました。


 だけど、この一ヶ月で自分でも恐ろしくなるくらい体力が落ちてきていて、上高地から横尾まで歩いただけで筋肉痛がでていました。

 体力の低下を食い止めるためにいろいろ努力はしているけど、それでも体力の低下が止まりません。


 こんな状態だけど、また明日山へ行きます。


 明日山に登る理由は、このまま体力が落ち続けて山に登れなくなるのが怖いから「登れるうちに登っておこう」なんてマイナスな発想からではなく、意地でも体力を取り戻して登りたい山に登ってやろうと思うプラスの力からです。

 目標へ向かうためのトレーニングとしての登山です。



 この秋にどうしても登りたい山があります。

 そしてその山の先に、そのずっとずっとずっと先に、僕の人生も生活も何もかもすべてを捨ててでも登りたい山があります。


 そこにたどり着くまでは、何とだって戦い続けます。





 PS

 ちょっとシリアスチックに書いてますが、たぶんたいした病気じゃありません(笑)落ち続ける体力に不安は感じるけど、たぶん来月の今頃には北アルプスのバリエーションルートを登ってると思っています。

 行くぜ!あの山の向こうへ!


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